大切なジュエリーを長持ちさせるために私ができること
美しい輝きで私たちを魅了するジュエリー。その輝きを長く保つためには、日ごろから丁寧に取り扱い、こまめにお手入れをすることが大切です。ジュエリーを身に着ける際のポイントや注意点、お手入れ方法をご紹介します。
ジュエリーを身に着ける際のポイント
普段通りの日常生活の中でも、ジュエリーを身に着ける際は気をつけたいポイントがいくつかあります。
「私の取り扱い方は大丈夫かしら?」と思う方は、ぜひチェックしてみてください。
衝撃や温水、洗剤等により、ジュエリーが傷ついたり変色したりしてしまう場合があります。料理や掃除などの家事をする際や、洗顔、入浴などはジュエリーをはずすようにしましょう。
化粧品や香水、ヘアスプレーなどの成分も、ジュエリーにふれると変色させてしまうことがあります。「ジュエリーは身だしなみの最後に」と意識し、お化粧やヘアスタイルのセットなどが済んでから身に着けるようにしましょう。
<特に気をつけたい重要な注意点>
ジュエリーや金属が体質に合わないときはすみやかにはずし、異常があればすぐに専門医にご相談ください。
ジュエリーを保管する際のポイント
ジュエリーの使用後は、はずしてそのままテーブルや棚の上に置いているだけ、ということはありませんか? 大切なジュエリーは適切な方法できちんと保管し、次に使うときまで美しい状態を保てるようにしましょう。
ジュエリーはとってもデリケートです。硬度の高い・低いを問わず、宝石同士をぶつけないように注意して保管しましょう。
直射日光の当たる場所、高温になる場所、湿度の高い場所、防虫剤のある場所での保管は避けてください。変色・変質のおそれがあります。
ジュエリーのお手入れ・修理について
ジュエリーのお手入れを日常的に続けていれば、黒ずんだり曇ったりしてしまうのを避けることができます。
また、お手入れのたびにジュエリーのコンディションをチェックできるので、傷や割れなどトラブルが発生したときも気づきやすくなります。
ご家庭でできるお手入れ
ジュエリーを使用した後は、目に見えない脂やほこりなどが付着しています。乾いた布で全体をやさしく拭き取りましょう。
超音波洗浄機、電解光沢器、洗浄液等は宝石によっては使えないものがあります。宝石別のお手入れ(後述)を参考に、お手持ちの宝石に合わせたお手入れをしましょう。
プロの手を借りることも大切
日頃のセルフクリーニングは大切ですが、やり方を間違えてしまうと、かえってジュエリーを傷つけてしまうこともあります。まずは正しい方法をきちんと確認してお手入れをすることが大切です。
心配なときは購入した店舗やジュエリーの販売会などで専門家に相談しましょう。
悩み別・ジュエリーのお手入れと修理
変色する
皮脂や汚れが付着して黒ずみになるので、使用後に丁寧に拭き取ることで避けられます。どうしても落ちない場合は、購入した店舗へ相談しましょう。
また前述のとおり、化粧品やヘアスプレー等が刺激となり、ジュエリーが変色することがあります。お化粧やヘアメイク時にはジュエリーをはずしましょう。プラチナ・ゴールド・シルバーなどの金属が変色した場合、購入した店舗で仕上げ直しが受けられることもあります。
チェーンが切れてしまった、パールネックレスの糸が切れてしまった
自分で無理に直そうとせず、ジュエリー専門の店舗に修理を依頼しましょう。またパールネックレスの糸は、切れていない場合でも2~3年周期を目安に糸替えを実施することをおすすめします。
宝石別お手入れ一覧
宝石によって、硬度の高さや苦手とする外部刺激が異なります。それぞれの宝石に合ったお手入れ方法をご紹介します。お手持ちの宝石にはどのお手入れ方法が合っているのか、ぜひ確かめてみてください。
汗/皮脂 | コスメ | ヘアスプレー | 紫外線/強光 | 温泉 | 超音波洗浄機 | 衝撃 | |
ダイヤモンド | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
クレサンベール(オパール以外) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ |
クレサンベールオパール | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
ルビー | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ |
サファイア | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ |
エメラルド | 〇 | × | × | 〇 | △ | × | × |
アレキサンドライト | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
クリソベリルキャッツアイ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
スピネル | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
ガーネット | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | 〇 | × |
アメシスト | △ | 〇 | 〇 | × | △ | 〇 | 〇 |
アクアマリン | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ |
パール | △ | △ | × | × | × | × | × |
ペリドット | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | × | × |
トルマリン | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | 〇 | × |
オパール | 〇 | 〇 | △ | 〇 | △ | × | × |
トパーズ | 〇 | 〇 | 〇 | △ | 〇 | × | × |
ムーン ストーン |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | × |
シトリン | 〇 | 〇 | 〇 | × | △ | 〇 | × |
タンザナイト | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | × | × |
クンツァイト | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | × | × |
ジェダイト (ヒスイ) |
〇 | × | × | 〇 | 〇 | × | △ |
ネフライト | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | △ |
コハク | △ | × | △ | × | × | × | × |
さんご | △ | △ | × | × | × | × | × |
トルコ石 | △ | △ | × | × | × | × | × |
めのう | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
プラチナ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ |
ゴールド | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | 〇 | △ |
シルバー | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | △ |
〇:安全 △:できるだけ避ける ×:避ける
ダイヤモンド・ルビー・サファイア・クレサンベールのお手入れ
超音波洗浄機、電解光沢器、洗浄液等の利用が可能です。
ときどき中性洗剤を溶かしたぬるま湯に漬けて、やさしくブラシでこすれば、輝きがよみがえります。
エメラルド・ヒスイのお手入れ
超音波洗浄機、電解光沢器、洗浄液等の利用は不可です。
化粧品、ヘアスプレーや除光液などの使用は避けましょう。どちらも非常にデリケートな宝石なので、表面が汚れた場合は乾いた布でやさしく拭き取ってください。
オパール・トルコ石のお手入れ
超音波洗浄機、電解光沢器、洗浄液等の利用は不可です。
比較的柔らかい宝石なので、衝撃を与えないようにお手入れする必要があります。表面が汚れた場合は柔らかい布で表面を軽く拭く程度にしましょう。
オパールは熱、トルコ石は水気にそれぞれ注意する必要があります。特にトルコ石は、水分が染み込むと変色の原因となるので、注意が必要です。
パール・さんご・コハクのお手入れ
超音波洗浄機、電解光沢器、洗浄液等の利用は不可です。
これらは有機物(生物などによって作られた宝石)なので、酸やアルカリに弱く、皮脂や化粧品にも注意が必要です。パールの糸は定期的にメンテナンス、糸替えを行いましょう。
金・プラチナ・銀製品のお手入れ
温泉や火山地帯では表面が黒ずむことがあります。保管する前に汗や汚れを柔らかい布やセーム皮などで拭き取ってください。シルバーは個別にビニール袋に入れ、なるべく外気にふれないよう保管してください。
大切なジュエリーは身に着けている時間もお手入れをしている時間も、あなたの気持ちを豊かにしてくれます。日頃からできるお手入れを習慣にしていれば、ジュエリーはいつまでも輝き続けるはず。まずはお手持ちのジュエリーを手に取って、やさしく布で拭いてあげるところから始めてみませんか。