9月の誕生石:サファイア

秋晴れを思わせる青い宝石

眩しい太陽の光が落ち着き、すがすがしい青空が広がる季節。9月の誕生石は、青のイメージが強いサファイアです。ルビーと同じコランダムという鉱物でできており、真っ赤なものはルビー、それ以外はサファイアに分類されています。

代表格はブルーサファイア

ダイヤモンド、エメラルド、ルビー、アレキサンドライトに並び、「五大宝石」と呼ばれるサファイア。
その中でも、特にブルーサファイアは高い価値があるといわれ、最高級のものは「コーンフラワーブルー」と呼ばれる深い青色をしています。
伝統あるイギリス王室でも、王冠やティアラなどの宝飾品にはブルーサファイアが多く用いられています。

古代ギリシャや中世では、ブルーサファイアには目の病を治し、人々を悩みから救う力が宿るとされていました。また、「聖者の宝石」とも呼ばれ、司教の指輪にもはめられています。その手で信者にふれることで、誠実や慈悲が与えられ、人々の悩みや苦しみを癒してくれると信じられています。

ブルー以外のサファイアの種類

サファイアがラテン語で「青」を意味するなど、「サファイア=青」というイメージが一般的。ですが実は、サファイアにはピンクや黄色などさまざまな色調があり、青以外の色を示すサファイアをまとめて「ファンシーサファイア」と呼んでいます。

その中でも、橙色がかったピンク色のサファイアは「パパラチャ(パパラチア)」といい、ファンシーサファイアの中でも独立した名前を持っています。スリランカで産出されるパパラチャは、スリランカで使われているシンハラ語で「蓮の花」という意味を持ちます。産出量は非常に少なく、稀少性の高い宝石です。ピンクとオレンジのちょうど中間にあたるような絶妙なカラーで、ドイツでは「夕焼けの色」とも呼ばれています。

「幸福の王子」はサファイアの瞳で人々を見つめていた

童話「幸福の王子」をご存じでしょうか。とある町に立てられた、美しい王子の像。その足元で一羽のつばめが休憩していると、「僕の体についている宝石や金を貧しい人々に与えて」と王子が涙ながらに頼み込んできます。休ませてくれたお礼にと、王子の頼みをきいてつばめが街中を飛び回る……という物語です。

王子の全身は純金でできており、王冠や剣の装飾などには高価な宝石が使われていました。瞳には青いサファイアがはめ込まれていたのですが、このサファイアもつばめによって貧しい人々のもとへ届けられます。物語は悲しい結末を迎えますが、王子の慈愛に満ちた心や、王子の気持ちに応えようとするつばめの誠実さを象徴するアイテムとして、作中でサファイアが用いられているのです。

サファイアのお手入れ方法

サファイアはルビー同様、比較的硬度の高い宝石です。美しい状態で長く愛用できるよう、丁寧なお手入れを心がけましょう。

普段のお手入れ

柔らかい布で全体をやさしく拭きます。

特別なお手入れ

中性洗剤を溶かしたぬるま湯にサファイアを入れ、柔らかいブラシでやさしくこすって洗いましょう。終わったら真水でよくすすぎ、柔らかい布で水気を拭き取ります。

お手入れの注意点

着用時・保管時にぶつけたり落としたりしないよう注意しましょう。

秋晴れの抜けるような青空を思わせるブルーサファイアももちろん美しいですが、色とりどりのサファイアにもそれぞれの魅力があります。数あるサファイアの中から、あなたの好みにぴったり合う色を選んでみてはいかがでしょうか。

#サファイア#誕生石Mjc-odolly