真っ赤に輝く宝石の女王
梅雨が明けると、太陽が似合う季節が訪れます。そんな7月に選ばれた誕生石は、太陽のように真っ赤に輝くルビーです。その美しさと稀少性の高さから、「宝石の女王」とも呼ばれています。
情熱が秘められた赤い宝石
ルビーはサファイアと同じコランダムという鉱物で、その中で特に真っ赤なもののみがルビーに分類され、それ以外のものはすべてサファイアに分類されます。
赤が濃く、深く、透明度の高いものほど品質の良いルビーとされています。
ルビーの赤色にはさまざまな呼び名があります。
有名なルビーの産出国であるミャンマーでは、深く透明で濃い赤色をしたルビーがごく稀に発見されることがあり、その美しい色は「ピジョン・ブラッド」と呼ばれています。
ピジョン・ブラッドのルビーは非常に稀少性が高く、現在は幻の宝石と化しています。他には、スリランカやベトナムなどで産出される「チェリーピンク」と呼ばれるルビーも、ピンクに近い愛らしい色で人気です。
宝石の中でも屈指のパワーストーン
赤が情熱の色として知られるように、ルビーもまた情熱を秘めた宝石として知られています。古代より「勝利を呼ぶ石」とも呼ばれ、困難を打破し、勝利へと導くパワーがあると信じられてきました。
そのほか、ルビーは王権の象徴として考えられてきた歴史があります。たとえば、ミャンマーには「ドラゴンが産んだ3つの卵の伝説」が残っています。「その昔、ドラゴンが産んだ3つの卵のうち、1つ目の卵からは異郷の王が、2つ目の卵からは中国の皇帝が、最後の3つ目の卵からはルビーが生まれた」というものです。ミャンマーではルビーは国石として定められていることからも、ルビーがいかに高貴なものとしてとらえられてきたかがよくわかります。
また、古代ギリシャ・ローマでは、軍神マルスが宿る護身の宝石とされ、戦場の兵士たちは病気・呪い・悪運などを防ぐお守りとしてルビーを身につけたといわれています。現在も、魔除けや護符として身に着けている人の多い宝石です。
「ルビー」はふりがなの「ルビ」の語源
漢字にふりがなをつけるときに「ルビをふる」と言うことがありますが、実はこの「ルビ」の語源がルビーであることをご存知でしょうか?
かつてイギリスでは、活版印刷で使われる活字を、大きさに応じて「ダイヤモンド活字」「エメラルド活字」「ルビー活字」などと名づけていました。それが明治時代の日本に導入されたのですが、日本の書物で使われていたふりがなのフォントサイズが「ルビー文字」の大きさに該当したため、ふりがなを「ルビ」と呼ぶようになったのです。もしその書物で使われていた文字の大きさが違っていたら、ふりがなを「ルビ」と呼ぶことはなかったかもしれません。日常の意外なところにも、ルビーの姿があるんですね。
ルビーのお手入れ方法
ルビーは比較的硬度の高い宝石ですが、丁寧なお手入れでより美しく輝きます。長く愛用できるよう、日ごろから大切に扱いましょう。
普段のお手入れ
柔らかい布で全体をやさしく拭きます。
特別なお手入れ
中性洗剤を溶かしたぬるま湯にルビーを入れ、柔らかいブラシでやさしくこすって洗いましょう。
終わったら真水でよくすすぎ、柔らかい布で水気を拭き取ります。
お手入れの注意点
着用時・保管時にぶつけたり落としたりしないよう注意しましょう。
熱く燃える炎のような輝きを秘めたルビー。落ち込んでいるときや元気がないとき、真っ赤なルビーを身に着ければ、情熱的なパワーをもらってエネルギーがもらえそうです。
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