真珠/パールの種類と美しさの違い
真珠には天然真珠と養殖真珠があります。天然と養殖の違いは自然の偶然が重なって真珠を形成するに至ったか、人が真珠形成のきっかけ作りをしたか、だけの違いです。現在、世界で流通している真珠の9割以上は養殖真珠ですが、真珠養殖のために使用されている貝は、海水では主にアコヤ貝、黒蝶貝、白蝶貝、淡水ではイケチョウガイやヒレイケチョウガイです。アコヤ貝で育った真珠をアコヤ真珠、黒蝶貝で育った真珠を黒蝶真珠と呼びますが、イケチョウガイやヒレイケチョウガイなどは淡水真珠と一括りにして呼ばれています。ここでは真珠/パールの種類とその美しさの違いについて、ご説明いたします。
アコヤ真珠
色はピンク系、グリーン系、ホワイト系、クリーム系、グレー系、ゴールド系などととても多彩な色があります。大きさは現在7~8mm程度のものが主流となっており、8mm以上が大珠と呼ばれ、9mm以上のものとなると採れる量が急激に減り、10mm以上のものともなると非常に希少です。真珠の輝きをあらわすテリ(光沢)は干渉色があり、表面上の上テリではなく真珠の奥の方から湧き出てくるような深みがあり透明感の高いものが良質とされています。四季のある日本では夏の温かい時期に真珠が育ち、冬の寒い時期に表面のきめ細やかさが形成され、良質な真珠を産出するには適しています。日本特有の四季の変化が透明感の高い良質な真珠を産出し、他国産の真珠(南洋真珠)とのテリ(光沢)との差別化につながっています。
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花珠真珠
アコヤ真珠(ホワイト系)の最高品質の範ちゅうと認められた真珠に与えられる特別呼称です。花珠真珠といっても鑑別機関によって合格基準が異なるため、同じような合格ボーダーラインの商品を比べても品質が異なります。京セラでは真珠専門の鑑別機関として国内で最も信頼がある真珠科学研究所の鑑別書をお付けさせていただいています。
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黒蝶真珠
意外にも黒蝶貝には黒の色素は持ち合わせておりません。黒蝶真珠は「黒い真珠」と思われる方が多いですが、実際には3つの色素が混ざり合い多彩な色を演出しています。赤・青・黄色系で色の三原色と同じで、それらの色が混ざり合い黒色に見えます。主な生産地は、タヒチ、クック諸島などの南太平洋海域です。黒蝶真珠の生産量の約95%がタヒチで採れるため、タヒチ真珠とも呼ばれています。
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白蝶真珠
色はピンクホワイト、ホワイト、グレー、イエロー、ゴールドなど多彩な色があります。白蝶真珠が生まれてくる母貝にはシルバーリップとゴールドリップの2種類があります。オーストラリアではシルバーリップと呼ばれている白蝶貝が多く、大粒でホワイト系の真珠ができやすくなります。インドネシア・フィリピン・ミャンマーではゴールドリップと呼ばれている白蝶貝が多く、ゴールド・イエロー系の真珠ができやすいという傾向があります。白蝶真珠は養殖期間が長いためアコヤ真珠よりも巻きが厚く、深みのある輝きがあるのが特徴です。
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淡水真珠
淡水真珠とは、本真珠の一種で母貝にイケチョウガイや、三角貝とも呼ばれるヒレイケチョウガイなどの淡水生の二枚貝を使って湖や川で養殖された真珠のことです。色はホワイト、オレンジ、ピンク、ローズなどカラフルな色の珠ができやすく多彩な色が楽しめます。核を挿入せずに1つの母貝で養殖できる数が数10個と多いので、淡水真珠の魅力は何といっても本物の真珠でありながらお手頃な価格で購入できるということです。カジュアルシーンでも気軽に使うことができますし、色々なデザインのものを何本も揃える楽しみもあります。
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真珠の品質について
巻き
真珠は体内に異物が入ると一生懸命に殻の内側と同じ成分を分泌して、この異物を同一化しようとします。このとき分泌される真珠質と呼ばれるものが核のまわりにカルシウムの薄い層を何百、何千層と巻かれていくことで真珠層を形成していきます。真珠層が厚いほど真珠特有の美しいテリ(光沢)がでてきます。この真珠層の厚さのことを「巻き」と呼んでいます。巻きの厚さはテリ(光沢)以外にも真珠の強度や劣化にも影響するので、巻きの厚い真珠ほど良質とされています。
テリ(光沢)
真珠の命とも言えるテリ(光沢)。真珠層の厚さを巻きが厚い・薄いと表現し、巻きの厚い真珠の方が奥深くからテリ(光沢)が生まれます。真珠で最も大切なのは、内側からのテリ(光沢)と呼ばれる色を伴った輝きです。一定以上の巻きがあると光の作用によりピンクやグリーンの干渉色が見られます。そして真珠層をつくる結晶が整然と積み重なっていて滑らかであると、深みのあるテリが出て真珠の表面からまぶしいばかりに輝きを放ちます。
色
真珠の色は一般の物体の色と異なり、実体色(実際に見える色)と干渉色(光の反射、屈折によって見える輝きをともなった色)の種類の色が共存しています。真珠の色を決める要素はいくつかあり、ひとつは真珠層から光が反射して見える干渉色により、ピンク系や青みを帯びたグリーン系の色が作られます。次に貝そのものが持つ固有のたんぱく質の色素により、シャンパン系やゴールド系、ブラック系の色が生まれます。もうひとつは核と真珠層の間に入り込んだ有機物の色により、ブルー系、ブラック系の色が生まれます。真珠はこれらの要素が重なり合い固有の美しい色を生み出しています。
形
真珠の形は、貝の中で真珠層が形成されていく過程で変化するため、人為的に形を作ることはできません。形は丸く真円に近いものほど良質とされていますが、丸い真珠以外にもオーバル(長方形)、しずくのような形のドロップ、横に長い楕円形のボタンなど様々な形のものがあります。また、形の崩れた不定形のものはバロックと言います。バロックは、形が独特でまさにその1粒しかない真珠と言えるでしょう。
キズ
真珠の価値はキズの程度で大きく左右すると定義されますが、キズのない真珠は極めて少なく、多かれ少なかれどの真珠にもあります。真珠の真珠層を形成する過程でできたくぼみや突起などの天然のキズに関しては、キズがあるからといって必ずしも低品質な真珠とは限りません。真珠は自然の産物なのでキズも本真珠の証です。ほとんどの真珠には程度の差はあるものの何らかのキズがあるものなのです。よほど目立つ大きなキズでない限り、選択の要素の中で一番神経質にならなくても良い部分ではないでしょうか。
サイズ
真珠は粒の大きさによって印象が変わります。粒が小さければ控えめな印象に。粒が大きくなれば豪華できらびやかな印象になるのが基本となります。また小さい粒の場合はロングタイプにしたり重ね着けしたりすることで、華やかに見せることもできます。身につけるシーン、身長やお洋服のお好みによりサイズをお選びください。
連相
連相とは、ネックレスの中で「どれだけ色やテリ(光沢)が揃っているか」というネックレスの完成度を表す言葉です。それぞれの質は良くてもネックレスとして組み上げた時に色目やテリ(光沢)がバラバラでは良いネックレスとは言えません。多様な色など多彩な個性を持つ真珠ですので、連相良く組み上げるのは大変な作業ですが美しいネックレスには必要不可欠な要素です。
真珠のお手入れについて
普段のお手入れは、真珠の輝きを保つために大変重要です。真珠は主に炭酸カルシウムの結晶とたんぱく質でできているので、酸・熱に弱いのが特徴です。汗やほこりが付いたままにしておくと光沢が失われ、変色などの原因になりますので使用後は柔らかい布で丁寧に拭いて汗や付着物を落としてください。また化粧品や整髪剤にも弱いので、お化粧が終わってから真珠を着けでください。こまめに拭いていただくことが一番のお手入れです。お手入れをきちんとするのとしないのでは、長い年月を経ると輝きが違ってきます。
保管時の注意は、真珠は熱・光の影響を受けやすいので温度の高くなる場所や直射日光のあたる場所、乾燥した場所や湿度の高い場所も避けてください。ケースに小分けして他の宝石や硬い金属と触れ合わないようにしてください。その際脱脂綿を緩衝材として使用することは避けてください。脱脂綿の漂白作用により変色の恐れがあります。あと防虫剤などの薬品や化粧品の近くでの保管も避けてください。
ネックレスの糸は使用していると伸びてきたり擦れて弱くなるので、ご使用状況にもよりますが3~5年に1度、糸替えをされることをお勧めします。
京セラの真珠/パールジュエリーについて
京セラで販売している真珠パールジュエリーの中でもオススメなのが、花珠真珠のジュエリーです。 花珠真珠はアコヤ真珠の中でも最上級のクオリティ(品質)のもののみに与えられる称号です。 花珠真珠として認められるためには、「巻き」・「形」・「光沢(てり)」・「キズ」、 ネックレスにはさらに 「仕上げ(連相=真珠同士の色と品質の統一)」が加わった、 合計5つの基準で最高ランクでクリアしなくてはなりません。そのため、すべての真珠の中から数百個に1個といった大変貴重な真珠です。 当店で販売している「花珠真珠」のジュエリーは「花珠鑑別書」が付いていますので、大切な人へのプレゼントにも最適です。