人類とルビーとの歴史
実は人類とルビーの出会いはダイヤモンドよりも前に遡ります。旧約聖書のなかにダイヤモンドは登場しませんが、ルビーはソロモン王の言葉によって、何度も使われています。これによりルビーが赤色を形容する象徴的な存在として、古くから考えられていたことが分かります。
また、1世紀のギリシャ・ローマ時代には燃え盛る炎のような光を放つルビーは、ヨーロッパの人々の間で「燃える石炭」と呼ばれていたともいわれています。
時は流れ16世紀中ごろのイタリアでは、ルビー1カラットあたりの価格は、ダイヤモンドの8倍、エメラルドの2倍はしていたという記録も残されています。
このように数千年の時を超えて、ルビーは人々から希少な宝石として崇められ、唯一無二の宝石として君臨しています。
ルビーの主な産地国による品質の違い
ビルマ産
ビルマの中部地帯からやや北側に位置するモゴク鉱山は、良質のルビーが採掘されることで世界的に有名です。そんなビルマ産ルビーのいちばんの特徴は、必要な濃度を保ちながら、柔らか味のある赤色にあります。なかでも最高級の一品は鳩の血の色に似ていることから「ピジョン・ブラッド」と形容され、内容物が少なく輝きの良いピジョン・ブラッドは、最良のダイヤモンドを凌ぐ評価を受けることも珍しくありません。
京セラのクレサンベールルビーは、その美しい”ピジョン・ブラッド”の色合いを忠実に表現しております。
タイ産
タイ産ルビーの特徴は「ビーフ・ブラッド(牛の血)」と形容される、やや黒味がかった赤色となります。ビルマ産ルビーと比較すると、輝きは同等レベルであっても、いちばん大切な色の面でビルマ産ルビーと比べて評価が落ちるものが多いのが現状です。
スリランカ産
同じコランダムに属するサファイアやパパラチアの主要産地として有名なスリランカ。そんなスリランカのラトゥナプラ鉱山でもルビーは産出されています。スリランカ産ルビーの特徴は明るい赤色のこと。やや淡めの赤色で「チェリーピンク」と形容されています。
マダガスカル産
アンデラメナ、ムラマンガ、ヴィトマンデ等の鉱山で良質のルビーが産出されていますが、まだまだ産出量は少なく、3カラット以上の大粒のものは殆ど採掘されていません。ですが中にはビルマ産ルビーと比較しても遜色のない高品質ルビーもあり、今後の産出量の増加を期待されています。
ルビーの後処理について
自然界から産出される天然ルビーの殆どに、加熱処理が施されています。 これは、原石に見られる微妙な汚色や濁りを消して、ルビーのもつ本体の色を引き立てる軽度のものから、 白色の原石からレッドカラーに変化させるように、全く異なった色へと変化させるまでのものまであります。
クレサンベールのルビーは、人工的に結晶させた後の加熱処理は行っておりません。 そのため経年変化が起こることは無く、ルビー本来の美しさを半永久的にご堪能いただけます。
奇跡と奇跡の融合 スタールビーとは
ルビーそのものがコランダムという石のグループのなかで、人々を虜にする赤色に恵まれた選ばれし宝石です。そんなルビーの中で、さらに特別な存在となっているのがスタールビーです。ある時、原石をカボッションカットといわれるなめらかな山型にカットすると、六条の線が浮かび上がるルビーが発見されました。そのルビーはまるでルビーの上に星が舞い降りたかのように輝くため、人々はこの線を「アステリズム(星状光彩)」と名付け、神秘的な線の出るルビーを「スタールビー」と呼ぶようになりました。
クレサンベールルビーの誕生
「宝石を贈ること、贈られること、身に着けて楽しむこと、その美に魅了されること、そのことを通して人々の心に豊かな時が訪れれば、私たちにこれほど幸せなことはありません。」
この想いから、1979年の7月にクレサンベールルビーは誕生しました。
ルビーはサファイアと同様にAl₂O₃の化学組成をもつコランダムという鉱物です。コランダムは本来無色ですが、適量のクロムを含むと赤色のルビーとなります。そして、幾度の改良改善を経て、クレサンベールルビーは、ピジョン・ブラッドと呼ばれる特に鮮やかで透明度の高い深紅の色を実現することができました。
誕生から現在に至るまで、クレサンベールルビーは、その稀に見る美しさにより、多くの女性を魅了し続けています。