天然宝石との違い
天然宝石のエメラルドは採掘に限りがあるため、価格が高騰します。また天然宝石のエメラルドは、結晶する過程で不純物(インクルージョン)が混じり込んだりすることが多く、高品質の宝石が採取されるのはきわめて稀といわれます。
そのため、殆どの天然石には、キズやインクルージョンを目立たせなくするための人工的な処理が施されています。
世界最高級のエメラルド宝庫とされる南米コロンビアの中でも、良質のエメラルド山地で知られているのがコロンビア・ムゾー鉱山ですが、クレサンベールエメラルドはムゾー鉱山のものと同様の色彩を放ち、やや青みが強いのが特長となります。
天然ではなかなか目にすることのできない、ピュアな美しさを最大限に生かす自在なカットデザインのジュエリーもクレサンベールならではです。クレサンベールエメラルドと天然石のエメラルドは、化学的・物理的・光学的性質にほとんど違いがありません。
エメラルドに込められた意味
石の意味は、幸運・幸福・夫婦愛・安定・希望とされています。その中でもエメラルドは「愛の石」とも呼ばれるように、愛の力が非常に強い石であり、“愛の成就”に特に有効だといわれています。
また、エメラルドを身につければ人間として成長することがき、知恵や忍耐力が得られるといわれていますが、この「人間としての成長」こそが、恋人や夫婦にとって、愛を育み長続きさせるために必要なものであり、エメラルドを贈ることが愛と献身を意味するといわれ、幸せな結婚のお守りとして世界中で愛されて続けています。
エメラルドの産地について
コロンビア・ムゾー山脈産
ボゴタの北北西120kmに位置し、高品質のエメラルドを産出する鉱山として知られています。それは母岩の性質と関連があり、コロンビア差は石灰岩に付着しているため、エメラルドに入り込む内包物が黒くならないためと考えられています。
中でもコロンビア最大のエメラルド鉱山であるムゾー鉱山で発掘されるエメラルドは、濃いグリーンで、柔らかな味わいを持っており、高く評価されています。クレサンベールエメラルドはこのムゾー鉱山で発掘されるエメラルドと同様の色彩を放ち、インクルージョンが少ないのが特徴です。
ブラジル産
やや黒味がかったグリーンである点が特徴です。これはエメラルドが付着している母岩がコロンビアと違って黒っぽい岩の層のため、そこに付着している内包物の影響を受けているためです。コロンビアに継ぐエメラルドの産地といわれていますが、安定したAランクの共有は少なくなっています。
ザンビア産
ブラジル産と同様に、やや黒味がかったグリーンである点が特徴ですが、最近は色の濃度や輝きでAランクのエメラルドも発掘されています。特徴としては、エメラルドカットに加工しにくいものもありますが、オーバルカットやペアシェイプカットなど、個性を生かしたカッティングも施されています。
マダガスカル産
やや黄色味を帯びたグリーンが特徴です。1~2カラットの中にAクラスに評価されるものもありますが、それ以上の大きさになると一気に産出量が減るのが実情です。
エメラルドの保管とお手入れについて
エメラルドのモース硬度は7.5と、ダイヤモンドやルビー・サファイアよりも柔らかいため、他のジュエリーとエメラルドを宝石箱に無造作に入れてぶつかり合うと、エメラルドに傷がついてしまうことがあります。そのため1点ずつケースに保管いただくことをおすすめしております。
台所で家事をする際も身に着けない方が安心です。火のそばでは急激な温度変化により内部にひび割れをおこすことがあるうえ、漂白剤や酢、オレンジジュースなどの果汁等、変色や汚れの原因になるものが多く存在します。
また、エメラルドの輝きを保つためには、日ごろから優しくケアする習慣が大切です。決して面倒なことではなく、身に着けた後、宝石箱にしまう前にシリコンクロスやセーム革で汗や皮膚の汚れをふき取るだけでOKです。
普段のケアをしていても輝きが損なわれたと感じたときは、家庭用の中性洗剤と古くなった歯ブラシを使用し、軽く優しく洗ってください。最後に乾いた布で丁寧に水気をふき取れば、エメラルドの輝きが見事によみがえります。
クレサンベールエメラルドの歴史
今では合計12石種の開発に成功した「クレサンベール」全ては1975年の「クレサンベールエメラルド」の誕生から始まったのです。「宝石本来の魅力とは、人に夢を与え、心を豊かにすること。それが今、忘れられつつあるのではないか」京セラがクレサンベールの開発に取り組んだきっかけは、そんな創業者稲盛和夫の危惧からでした。
その背景には、採掘に限りがある天然宝石の質の低下、価格の高騰がありました。色が美しくなかったり、キズやインクルージョン(内包物)があったり、これらをカバーするために、あたり前のように人工処理された宝石が、果たして人々の心に本当の「豊かさ」を届けることができるのか。特に自然界に見いだすことが難しくなってきた宝石本来の美しい「色」を現代技術の力で再現し、人々に宝石を身につける真のよろこびを提供したいという思いから、京セラの新しい挑戦が始まり、1975年、念願の「クレサンベールエメラルド」が誕生したのです。
創業者の想い、技術者の想い、クレサンベールに携わる全ての人の想いが詰まったクレサンベールエメラルドは、誕生から現在に至るまで大変多くの女性を魅了し続けています。
この背景にはクレサンベールを取り巻く、多くのストーリーがあります。odollyでもそのストーリーを受け継ぎ、エメラルドには特別な感情を持ってご紹介をしています。クレサンベールエメラルドの放つ深緑の輝きと共に、京セラの歴史を感じ取っていただければ幸いです。