アレキサンドライトの変色メカニズムについて
アレキサンドライトは鉱物学的にみるとBeAl₂O₄という科学組織をもつクリソベリルというものです。微量に鉄、クロムなどの不純物を含み、青緑色系スペクトルの強い太陽光や蛍光灯の下では暗緑色を示し、赤色系スペクトルの強い白熱灯の明かりの下だと色が鮮やかな赤色に変化します。これは黄色系スペクトルを吸収するクロムを含有し、また石が反射する光に赤色要素と緑色要素の両方をバランスよく保持し、青みが強い光線の元では青色系の色を、赤みが強い光線の元では赤色系の色を反射するためです。
変色効果を体験できる場面
気品ある青緑の色彩
その美しさから昼の「エメラルド」とも呼ばれており、太陽光・蛍光灯下では気品あるクリアな青緑色の輝きを映し出します。眩しい自然光の下では、エメラルドとはまた違ったブルーグリーンの色彩により、心の安定感や清涼感を感じていただけることでしょう。
華やかな赤紫の色彩
その華やかな輝きから「夜のルビー」とも呼ばれており、赤色の成分が多い白熱電球の下では、赤紫色の輝きを映し出します。
夜のレストラン等、大人の雰囲気を楽しむ場所では、よりいっそうアレキサンドライトの魅力をご堪能いただけることでしょう。
アレキサンドライトの産地について
ロシア・ウラル産
アレキサンドライトは1830年にロシアのウラル山脈で初めて発見され、発見日がロシアの皇帝アレキサンダーⅡ世の12歳の誕生日だったことから「アレキサンドライト」と名付けられました。
ロシア産は透明度が高く、グリーンから赤紫にはっきりと変わるのが特徴で、高品質のアレキサンドライトとして絶賛されてきました。
現在はほとんど採り尽くされたといわれており、非常に希少性が高くなっています。
クレサンベールアレキサンドライトは、このロシア共和国のウラル山脈に産する高品質のものとほぼ同じ色彩を放ち、鮮やかな変色効果をご堪能いただけます。
ブラジル産
1987年に突然、3ヶ月間に50キロという量が産出されました。それまでも同じクリソベリルの仲間であるキャッツアイと共に少しは産出されていましたが、1987年の産出は群を抜いていたようです。ブラジル産アレキサンドライトは太陽光線や蛍光灯下ではブルーが強めのグリーン色で、ロシア産同様、色の変化が大きいのが特徴です。
スリランカ産
スリランカでもキャッツアイとともにアレキサンドライトが産出されています。ロシア産よりも大きなものも多く見られますが、色が薄い茶色から若干黄色味のあるグリーンへ変色するものが多く、一般的に赤への変化が他の産地の物に比べて弱いのが特徴です。
その中でも全く変化のないものは、「クリソベリル」と呼ばれています。
クレサンベールアレキサンドライトに込められた想い
大自然の産物である天然アレキサンドライト。高品質といわれるロシア産やブラジル産は内包物(インクルージョン)が多いものが大部分で、ジェムクオリティのものは既に採り尽くされたといわれています。
その結果、高品質の天然アレキサンドライトは0.5カラットに満たない小粒のものでも非常に希少で、多くの一般の方にはなかなか手が出せない価格にまで高騰しています。
多くのクレサンベールのなかでも、同品質の同じ天然宝石と比較した場合、最も価格差を感じていただけるのが「アレキサンドライト」ではないでしょうか。
このことから「宝石本来の、最高に美しい”色”を身につける喜びを提供したい」という、創業当時からの京セラの想いが、この「クレサンベールアレキサンドライト」を誕生させたのです。