ストーリーは決まった、名前はどうする?
当初の予定では、2025年4月に販売開始──のはずだったLabofllie。
結局2ヶ月の後ろ倒しにはなったものの、水面下ではさまざまな準備が同時進行で進んでいました。
正直、迷っているヒマなんてありません。大事なのは「強い想い」と「ブレない精神」、そして「行動力」。
この3つでした。
ブランド名&コレクション名の壁
さて、そんななかでも私を悩ませたのが、ブランド名とコレクション名の決定。
「これや!」と思える名前が浮かんでも、有名ホテルと名前が丸かぶりで泣く泣く却下…なんてこともあり、
商標登録の壁やら大人の事情やらで、頭の中は四六時中ネーミングのことでいっぱいでした。
特に気をつけたかったのは、ストーリーが先にあるべきなのに、デザインありきの後付けストーリーになってしまうこと。
それだけは絶対に避けたかったのです。だからこそ、思い描いた世界観を表すことができて、
かつ商標も取れる名前を──これはもう、ほぼミッション・インポッシブルでした。笑
Polaire collection 誕生の背景
ブランドの立ち上げにあたり、最初から2つのコレクションを展開することは決めていました。
そのうちの一つが、この「Polaire(ポレール)」コレクションです。
まず、ジュエリーといえば定番の「一粒石デザイン」。
ですがそれは、どこのブランドでも見かけるし、正直ちょっと物足りない。
私自身もこの仕事をするようになってからジュエリー熱が高まり、
小ぶりの可愛い石で満足していたのが、いつの間にか「大きい石がほしい…」と思うようになっていました。不思議ですよね(笑)
大切にした“つながり”
もうひとつ、大切にしたかったのは「つながり」の表現。
ジュエリーを作るという行為は、私ひとりの力ではどうにもなりません。
ラボグロウンダイヤモンドは、インドでルースを育て、カットされ、仕入れ、検品され…と、
本当に多くの人の手を経て、ようやくひとつのジュエリーになります。
そんな「目には見えないけど確かに存在する人のつながり」を、何とかデザインで伝えたかったのです。
もちろん、その“つながり”の捉え方は人それぞれ。
たとえば、家族や大切な人との関係、あるいは自分の「推し」の存在。
推しのイメージカラーが青だったら、それに合わせてジュエリーを選ぶ──それだけで心が強くなれる。
そんな風に、ジュエリーが誰かの“支え”や“お守り”のような存在になってくれたら嬉しいな、と思っています。
「極(きわみ)」と「対極」、そして「調和」
Polaireとは、フランス語で「極」。
この言葉には、「極上」や「頂点」という意味合いもありますが、
このコレクションで意識したのはむしろ「対極の存在が互いの価値を引き立てる」という、もっと哲学的な概念です。
世界はひとつの価値観だけでは成り立ちません。
光があれば影があり、喜びがあれば悲しみがある。
異なる存在が拮抗しながら、美しいバランスを保って成り立っている──
そんな“調和”の美しさをジュエリーで表現したいと思いました。
ちょっと概念的すぎますよね!(笑)
でもPolaireには、そうした深いメッセージを込めています。
もし読みながら「うんうん、なんかわかる」と感じていただけたなら、それだけで十分です。
次回予告
本当は、もう一つのコレクション「solrelier」の話もここで紹介しようと思っていたのですが、
Polaireへの想いが強すぎて……気づけばいつもより熱く語ってしまっていました。
最初は「コラム3までで終わるはずだったのに!」
まさかこんなに続くとは。うちの父親の話と一緒で、なかなか終わりません(笑)
というわけで、「solrelier」については、次回のコラムで!
引き続きお付き合いいただけると嬉しいです。