ダイヤモンドの4C『クラリティ』

ダイヤモンドの品質を評価する国際基準である「4C」。その内のひとつ、「クラリティ(Clarity)」について説明したいと思います。

「クラリティ」とは、「透明度」を意味する言葉です。透明度と言いますと、カラーに関する要素のようにも聞こえるかもしれません。しかし、ダイヤモンドの透明度というのは、光をいかに美しく反射させるかということに大きく関係しています。その光の反射にはインクルージョン(内包物)やブレミッシュ(傷)と呼ばれるものが影響を与えており、それに対する評価が「クラリティ」になります。

ダイヤモンドの傷や内包物とは?

天然のダイヤモンドは、地球の地層の奥深くで、炭素を元にして長い時間をかけて結晶化されたものです。この過程で、ダイヤモンドに様々な圧力や熱が加わることにより、宝石内部に透明ではない部分が生まれてしまうのです。

「完全に透明で内包物のないダイヤモンド」というものは、自然が生み出すその形成過程から考えても存在しないと言っていいでしょう。そのため、完璧に近いものほど価値が高い、すなわちクラリティのグレードが高いダイヤモンドとなります。

クラリティグレードとはどのようなもの?

クラリティグレードは、ダイヤモンドのカラースケールと同様に、GIA(米国宝石学会)が定めた判断基準です。ダイヤモンドグレーダーと呼ばれる専門家が10倍の拡大鏡または顕微鏡を使ってダイヤモンドを丁寧に観察し、インクルージョンや傷の大きさ、それが含まれている位置などをもとにランク付けを行います。

このGIAダイヤモンドクラリティスケールは、大きく6つのカテゴリーに分かれています。そして、一部のカテゴリーはサブカテゴリー(サブグレード)があるため、合計で11の段階があります。その11段階とは以下のようなものになります。

グレード サブグレード 内容
FL(Flawless) なし 内部外部ともに欠陥なし
IF(Internally Flawless) なし 内部に欠陥なし
VVS(Very Very Slightly Included) 1・2 熟練した鑑定士が見て発見が困難な内部の欠陥あり
VS(Very Slightly Included) 1・2 非常に微小の内包物がある
SI(Slightly Included) 1・2 10倍拡大鏡で見れば発見できるが。肉眼では見えない内包物がある
I(Included) 1・2・3 肉眼で見え、光りの透過や輝きにも影響を与える大きさの内包物がある。

上記のグレードを簡単に言ってしまうと、F、IFはほとんど無傷で完全なダイヤモンド。VVSからVSは、ルーペで見ても内包物や傷が見つけにくい(見つけにくいが小さな傷はある)。SIは、ルーペで見ると内包物や傷が見つけやすい(肉眼では見つけにくい)。Iは内包物や傷が肉眼でも見える、というような分類になります。

例えばVS1とSI2を比較した場合、一般の人が肉眼でその2つダイヤモンドを見比べても、違いを見分けることはほぼ不可能でしょう。しかし、ダイヤモンドグレーダーにとってはその違いは大変に大きな品質の違いとなり、それはダイヤモンドの価値・価格にも反映してくる違いなのです。

購入するならどのくらいのクラリティのものがいいの?

では、ダイヤモンドを購入する場合はどの程度のクラリティのものを選べばいいのでしょうか?もちろん、クラリティのグレードが高いものは良質なダイヤモンドであることに間違いはありません。しかし、「品質」と「価格」を考えた時に、高いグレードのものは大変な高値となってしまいます。

そこで、信頼のあるバイヤーや販売店でしたら、ハイグレードではないグレードの中からも「素晴らしい輝きのダイヤモンド」を見つけ出すことができるということを、覚えておいていただきたいと思います。

ダイヤモンドが天然の産物である以上、同じグレードでも全く同じ品質ということはありません。低めのグレードの中にも、美しいダイヤモンドは存在しています。つまり、熟練した鑑定士やバイヤーが選ぶことにより、より美しいダイヤモンドを手の届く範囲の価格帯でお客様に提供することが可能となるのです。

京セラのダイヤモンド
#ダイヤモンド#豆知識Mjc-odolly